2008年6月11日水曜日

「たばこ1000円」の実現可能性

たばこ1箱の値段を現在の3倍程度、1000円に値上げしようという動きが急浮上しているという。
いまの政治社会情勢からして、これは実現可能性が高いとみていいのではないか。
 
来年度から基礎年金の国庫負担を現行の3分の1から2分の1に引き上げるため、これに2・3兆円
必要だ。本来ならば、消費税の引き上げ(1%で税収2・5兆円)でまかなうのが妥当なのだが、福田
政権には消費税に手をつけるだけのパワーがあるとは思えない。
 
たばこ増税だと、仮に値上げによって消費量が3分の1に減ったとしても3兆円ほど見込めるのだという。
喫煙に対する抵抗感が強まっている世相に便乗すれば、消費税よりもはるかにたやすいといえそうだ。
 
野党は消費税引き上げに猛反対しているが、たばこ増税には理解を示す向きが多い。なるほど知恵者
はいるもので、いいところに目をつけたものだ。
 
政府の社会保障国民会議は先ごろ、基礎年金の財源をすべて消費税でまかなう場合、9・5%~18%
になるという試算を初めて公表した。
 
これは年金財源だけだ。医療や介護なども含めて、福祉財源全般を視野に入れた消費税論争がいよいよ
政治の中心テーマになるかと思われたのだが、当面、たばこ増税でしのげるのなら、この大問題を先送り
できる。
 
なんのことはない。消費税引き上げが福田政権の命運を決するとまで喧伝(けんでん)されていたのが、
あっさりと肩透かしをくらわすことになる。
 
「欧米並みだと1000円」というのも妙な説得力がある。さあ、喫煙派はどうするか。このさい禁煙に踏み
切るか、家計と相談しながら「たばこ1000円時代」に備えるか。
 
社会から厄介者扱いされて肩身が狭い喫煙派だが、年金財政の破(は)綻(たん)を救う崇高な役目を
負うのだとすれば、これは堂々としていていいことになる。国家の危機を一手に引き受ける正義の味方
「スモーカーマン」の登場だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080609-00000984-san-soci

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